もちろんそんなことはない。特に絵の具で描くのはデジタルと違って物理的に絵の具を展開(展色と言っている)する面白みがある。特に適当な不透明さを持った絵の具を大振りの筆で展色する時の快感はなかなか得難い。これは透明水彩とも油彩ともちょっと違ったものだ。

ほぼ千回万回の修練をしたのだろう、ため息の出るような筆さばきを若い頃にみたことがあった。彼か彼女か知らぬが、世間に名の出ない、あるいは全然そんなことを考えない立場の人だったろう。それでそんな凄い人が居る。絵はこき下ろそうと思えばいくらでもできるが、率直に受け留めようというのが自分の信条だ。
この絵は9月2日の絵と同じ類の絵だが、似たようなものを何点も描いている。あれはかなり進んだ状態だがこれはしょっぱなの取っ掛かりだ。もっと図案化してやや抽象的なところへ持っていけないかと企んでいる。絵は何から描いても良いが写真描写をすると決定的につまらなくなる。
でもなかなかそうにしか描けないものなのだ。困ったもんだが。