どんな事柄でもきっとそうなのだろうが、絵に関しては特にこれが顕著に現れると思う。人は己が見えない。以上に己の絵は見えない。
これはとても不思議。自分の絵は見えない。なので、これは性格にもよるが大抵の人は自分の絵を過大評価する。どうということのない位置で--描ける--を演じるようになる。どこでも普通にみかける。
目線ということがあって、この位置が人によって違うのだと思う。目線の高い人はいくら描いてもそこに届かない。が、遥かに卓越した人の絵も見ているはずなのに同レベルが描けていると思い込む人も少なくない。ほとんど悲観ばかりしていた自分から眺めるとちょっと不思議な光景だ。絵を描いていてしんどかったのはそのタイプの人が挑戦的に絡んでくるだった。本当に人の世の中は面倒くさい。
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普通の風景画だが、これは本当に描き出しの取っ掛かりの取っ掛かり。中間調を先に置いて明暗両側に広げる。ガッシュでは一般的な描き方で、自分も多くの場合そうしている。あえて奇妙な段取りをする必要もない。